連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第4回  春こそガーデニング 〜コンテナガーデンから装飾的な菜園ポタジェまで〜

生活のほんの片隅に植物がいてくれるだけで癒され、元気になり、活力がわいてきたりします

3月、待ちに待った春がようやくやってきました。寒い冬を乗り越えた植物たちも一斉に花を咲かせる準備を始めます。春こそガーデニングを始めるのにぴったりの季節。暖かい風を感じたら、
庭に出てガーデニングの準備を始めましょう。

ガーデニングは難しそう、すぐに枯らしてしまいそうで自信がないとあきらめている方は、小さなコンテナガーデンから始めてみてはいかがでしょうか。ベランダや玄関などのちょっとしたスペースで気軽に楽しむことができます。

上手に育てるポイントは、その植物の特性を知ること。一年草・二年草か宿根草かまたは球根植物か、どんな環境で育つ植物かを知ることが重要です。ホームセンターでは、ガーデン雑貨や土、肥料などの園芸用品が種類も豊富で、デザインも素敵なものがたくさん販売されています。培養土や肥料なども植物別に作られているので、初心者の方でも簡単に使うことができます。まずは好きな花を選んで特性を調べたら、鉢と土を買ってきて育ててみましょう。

毎日観察していると、植物が何を欲しがっているかわかるようになってきます。ガーデニングの楽しみは、植物が成長していく様子を見ることができること。手をかければかけただけ、それに応えてきれいな花を咲かせてくれます。

最近では「ポタジェ」と呼ばれる、草花、ハーブ、野菜などがいっしょになったガーデンが人気です。フランス語で家庭菜園という意味の「ポタジェ」は、菜園とは言っても装飾的役割が強く、植物の配置、カラーリングに気を配り、ベンチを置いたり、トレリスや小石を敷いた、実用性と鑑賞の両方を備えたガーデンです。

最近では、野菜のバリエーションも豊富で、今まで見たこともないような品種やカラフルなものも出回るようになりました。スーパーで売っている野菜は、食べる部分だけですが、それは野菜の一部。野菜の全体を見るときれいな色の葉を持っていたり、可憐な花を咲かせたりと、見た目にも美しいものが多くあります。「ポタジェ」は花を鑑賞するだけでなく、収穫する喜びを味わえる、より生活に密接したガーデンです。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 本社 シニアデザイナー 西澤真実子
フラワーギフトの制作に長期間携わり、ギフトシーンにおける多くのフラワーデザインを 経験。現在は、ギフト商品の部門で商品デザインのコアを担い、トップデザイナーのひと りに数えられている。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とし、 女性的で透明感のある作風が特長。独特のロマンティックな演出が、多くのファンを魅了 してやまない。また最近では、書籍の表紙デザインやCDジャケットのフラワーデザインを 手掛けるなど、多岐にわたる分野で活動を続けている。