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花の綺麗は既に花だけで成立している

日比谷花壇/フラワーコーディネーター 中村 宙

日比谷花壇の大阪オフィス「UTSUBO CHOCOLATE」の作業場のいたるところに仲村が整理整頓を促す落書きのようなものがある。大阪オフィスは、2015年2月、移転をきっかけに、古い素材を活かしながら、新しい価値・可能性を見出すデザインにリノベーションを行った。オフィスの外観がチョコレートに似ていること、また、チョコレートのように誰からでも愛される存在になりたいという意味合いから、建物自体を「UTSUBO CHOCOLATE」と名づけている。仲村が日々制作を行う「UTSUBO CHOCOLATE」にある作業場の前には彼がメンテナンスをまかされているたくさんの植物がある。第一印象は自由奔放。そして社内でも自他共に認める植物好きの仲村。しかし、子供の頃から花が好きだったわけではなかったという。

“もっと花の事が知りたい”

「お花が好きな人っていいなあ」最初はそんな思いから、花の仲卸会社に就職。熟練の人にまじってセリに行き怒鳴られる毎日。泥臭い仕事もたくさん。多くの花を自分の目で見て必死になって花の名前、見分け方、扱い方を覚えた。
そこで仲村は気づき始める。「お花が好きな人ってこう思うんや…」自分が思い描くイメージの焦点が合いはじめ、花屋=綺麗な生き物を扱う世界に魅入られていく…もっと、花のことが知りたい…
綺麗な切り花を扱う仕事がしてみたくなり、ある花屋へ。お店は常に見られているから、綺麗な花を売るから、常に整理整頓。水あげの仕方や鉢のディスプレイなど下積みの仕事もしっかりこなした。その後、花についてもっと幅広い仕事をしてみたいと日比谷花壇へ入社。他の部署で葬儀の仕事などを見ることもでき勉強になると感じる。色々な幅を持ちたい自分にとって刺激的な仕事も多い。今になって勉強が楽しいと仲村は笑う

“お客様が想うイメージに上乗せするのではなく、いらないものをはぎ取っていく

婚礼の打ち合わせでは、お客様のふわっとしたイメージに寄り添っていく。それは、お客様が想うイメージにイメージを上乗せしていくのではなく、いらないものをはぎとっていく作業。「お客様のイメージの中にある“もやもやっとした霧”を、フーッてはらいのける感じ…なんですけどわかります?」
お客様のイメージが定まり迷いがなくなった時、信頼関係がそこに生まれる。「自分の感覚とは異なるけれど、お客様のセンスやオリジナリティが活かされた素敵な挙式になりますね」。
「花の“綺麗”は、既に花だけで成立している」。 そう思うからこそ、自分のデザインや世界観を押し付けたくない。お客様のイメージに寄り添えるよう、季節の花、花合わせを大事にしていきたい。経験を積んでいくほどに「花が綺麗に見える」がわかる自分がうれしい…と仲村は言う。そして今日も自分の幅を拡げる仕事に勤しむ。大好きな植物の世話をしながら、時には植物談義をしながら。

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