連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

バックナンバー

 第5回  観葉植物で心地よい空間を。 〜インテリアとのトータルコーディネイトが大切〜

部屋に植物を一鉢置くだけでより心地よい空間を作ってくれます。

今年は暖冬だったため、桜の開花も去年より早くなりそうです。春は出会いと別れの季節。たくさんの思い出とともに、親しんだ場所や友達と別れ、希望と不安を抱きながら新生活をスタートさせる人も多いと思います。学校や会社など慣れない環境でストレスがたまってしまいそうな時こそ、自分の部屋を心地よい空間にしてオン、オフの切り替えを上手にすることが大切です。

部屋の模様替え、インテリアの改造というとちょっと大げさで時間とお金がかかりそうですが、部屋に植物を一鉢置くだけでより心地よい空間を作ってくれます。カーテンやベッドカバーを明るい色に替え、ポイントに存在感のある観葉植物を置けば、カフェでくつろいでいるようなリラックスした時間が過ごせそうです。

“植物は枯らしてしまいそうだから・・・”と心配するよりも、まずはトライしてみて。生き物なので、枯れてしまうのは仕方のないこと。何回かトライしているうちに植物との上手な付き合い方が見つけられるはずです。観葉植物や多肉植物は、比較的丈夫なものが多く、それほど手間もかからないので、初めて植物を育てる人にお勧めです。種類が豊富で、小さく柔らかな葉をつける女性的なイメージのものから、シャープな堅い葉やトゲをもつ男性的なイメージのものなど、バリエーションも豊かです。サイズも手のひらに載るような小さなものから、枝や葉を大きく広げる大型のグリーンまで、必ずお気に入りの一鉢が見つかるでしょう。

さらに自分らしい心地よい部屋を作るにはインテリアとのトータルコーディネイトが大切です。同じ植物でもウエアー(鉢カバー)をシンプルな黒い陶器にするのか、天然素材のバスケットにするのかで、ぐっと印象が変わります。どんな部屋にしたいのかのイメージを作り、家具、ファブリック、雑貨、植物とトータルで考えて選びましょう。

春は植物が生長する時、いきいきと葉を伸ばしていく様子を見るのは気持ちのいいこと。植物の生命力といっしょに暮らす喜びを感じながらフレッシュな気持ちで4月を迎えたいですね。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 本社 シニアデザイナー 西澤真実子
フラワーギフトの制作に長期間携わり、ギフトシーンにおける多くのフラワーデザインを 経験。現在は、ギフト商品の部門で商品デザインのコアを担い、トップデザイナーのひと りに数えられている。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とし、 女性的で透明感のある作風が特長。独特のロマンティックな演出が、多くのファンを魅了 してやまない。また最近では、書籍の表紙デザインやCDジャケットのフラワーデザインを 手掛けるなど、多岐にわたる分野で活動を続けている。