連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第14回  ヒマワリ  〜毎月7日・8日の花の日をきっかけに花に親しもう〜

存在感と繊細な表情をあわせもつ八重咲きヒマワリ‘東北八重’と‘パナッシェ’

存在感と繊細な表情をあわせもつ八重咲きヒマワリ‘東北八重’と‘パナッシェ’

日比谷花壇では、8・7(ハナ)にちなんで毎月7日8日と、8月7日を花の日とし、多くの人に花を身近に感じてもらいたいとキャンペーンを行っています。花は私たちの五感を刺激し、気持ちを穏やかにしたり、高揚させたり、ハッピーにしてくれるパワーを持っています。この季節、そんな花のパワーを強く感じられるのが、夏の花の代名詞「ヒマワリ」ではないでしょうか。

昔から絵画や映画に描かれ、人々を魅了し、食器や雑貨、ファブリックなどのデザインのモチーフとして使われ、人々のインスピレーションの源になってきました。また、夏の庭を彩る鑑賞用の花としてだけではなく、暮らしにも密接で、種は食料や油に、花は黄色の染料をとるのに使われてきました。

漢字では日に向く葵、「向日葵」と書き、別名を日輪草(ニチリンソウ)、日車(ヒグルマ)とも呼ばれ、花が太陽を追って向きを変える姿から名前がつけられています。実際に向きを変えるのは、花が咲いてからではなく、成長がさかんなつぼみの頃のようです。 

それぞれの品種につけられているチャーミングな名前も、愛されている理由のひとつではないでしょうか。口の中いっぱいにみずみずしい果汁がひろがるような、「サンリッチオレンジ」「サンリッチレモン」、「サンリッチマンゴー」。偉大な画家の絵画から切とられたような、「ゴッホのひまわり」、「モネのひまわり」、「ゴーギャンのひまわり」。花びらの質感が感じられるような、「テディーベア」、「レッドベルベット」など。花の大きさ、咲き方も様々で、花色は日の出から日没までの太陽の色を集めたといわれるほど豊富です。

バラやユリなどに比べて安価でボリュームがあるのもヒマワリの魅力です。たくさんのヒマワリをボリューム良くアレンジしても、ヒマワリ1本とグリーン1枚だけでアレンジしても、どちらも絵になる優れものです。今月の花の日、1輪のヒマワリを家族のために部屋に飾ったり、大切な人にメッセージとともに贈ってみてはいかがでしょうか。きっと太陽のように素敵な笑顔を返してくれるはずです。日比谷花壇のホームページの「花のある暮らし」でも様々な種類のヒマワリをご覧いただくことができます。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 本社 シニアデザイナー 西澤真実子
フラワーギフトの制作に長期間携わり、ギフトシーンにおける多くのフラワーデザインを 経験。現在は、ギフト商品の部門で商品デザインのコアを担い、トップデザイナーのひと りに数えられている。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とし、 女性的で透明感のある作風が特長。独特のロマンティックな演出が、多くのファンを魅了 してやまない。また最近では、書籍の表紙デザインやCDジャケットのフラワーデザインを 手掛けるなど、多岐にわたる分野で活動を続けている。