連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第22回  クリスマスリース 〜家族で過ごすひとときを〜  

赤いプリザーブドローズ、ゴールドのリボンやオーナメントでデザインしたドライフラワーリース

赤いプリザーブドローズ、ゴールドのリボンやオーナメントでデザインしたドライフラワーリース

クリスマスソングが何処からともなく聞こえ、街のイルミネーションは寒空のもと眩いばかりに輝いています。

クリスマスまであと僅かですが、皆さんは大切な方へのクリスマスプレゼントはもう決まりましたか。クリスマスプレゼントを選ぶのは、毎年時が経つのも忘れるくらい楽しく、本当にワクワクしますね。
街のフラワーショップでは、赤いポインセチアの鉢物やモミの枝と赤い花や実を用いたアレンジメント、クリスマスリース等が毎年大人気です。クリスマスプレゼントを求めてご来店してくださるお客様お一人お一人に心を込めてラッピングすると、お客様の心を感じ取って私の心まで温かくなります。

私が勤めるフラワーショップのドイツ人のデザイナーからは、ファミリーで過ごすクリスマスの過ごし方を教えてもらいました。
恋人と過ごすのが定番の日本と違い、家族で過ごすドイツのクリスマスホリデーは、ご馳走、クリスマスソング、プレゼント、キャンドルなどと一緒に、一年で最も家族と親密に過ごす時間なのだとか。その中でも、テーブルセンターのリースにはキャンドルを置き、クリスマス4週間前から毎週日曜日になると明かりを灯し、クリスマスの訪れを心待ちにするのだそうです。リースの丸い形は「永遠」を、ヒバやモミで作る緑の土台は「生命」を、金色のオーナメントは「栄光」を、赤い実は「食べ物に恵まれるように」と、それぞれ示しています。「家族が皆、幸福に満たされるように」との願いを込め、キャンドルに火を灯す団欒のひとときは、私も今年は参考にしたいクリスマスの過ごし方です。

このリースは、材料を揃えれば家庭でも作ることが出来ます。土台には吸水性のスポンジの円形になっているものが販売されていますし、スポンジがなければ太いワイヤーを芯にして丸く形作り、それらにヒバやモミの枝を細いワイヤー等で止めつけ、リボン、赤い実、オーナメントなどを取り付けてみましょう。これをテーブルセンターにおいてご家族と共にキャンドルに明かりを灯せば(火の取り扱いにはくれぐれもご注意を)、とてもハッピーな気分になりそうですね。
今年もどうぞ愛するご家族と一緒に、楽しいクリスマスをお迎えください。

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 コラムニスト紹介

篠原信子
日比谷花壇  日比谷公園店  フラワーコンシェルジュ
約20年にわたり、日比谷花壇の店舗でフラワーコーディネーターとして活躍。 様々な花や緑の魅力を熟知し、お客様が求める商品を案内するとともに、花に託して贈るお客様の“気持ち”や“ご意向”をくみ取り、最適な提案を行う、花のコンシェルジュ。 花がもたらす喜びや感動をお客様と共有し、花を贈る人、贈られる人に期待以上の満足を得ていただきたいと、「ヒビヤカダン 日比谷公園店」でお客様をお迎えしている。