連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第32回  ラッキーモチーフ 〜幸せは身近にあるもの〜

幸せの青い鳥をモチーフに取り入れた、プリザーブドフラワーのアレンジメント

幸せの青い鳥をモチーフに取り入れた、プリザーブドフラワーのアレンジメント

新緑が美しい季節、公園ではあちこちにクローバーが生い茂り、ふかふかの緑の絨毯のように広がります。小さく可憐なシロツメクサを摘んで花冠を作ったり、必死になって四つ葉のクローバーを探したり、そんな子供の頃の思い出を誰でも持っているのではないでしょうか。

古くから、四つ葉のクローバーを見つけた人には幸運が訪れる、と言い伝えられて来ました。ヨーロッパでは、夏至の夜に摘むと、薬草や魔よけの力があると信じられています。アメリカではクローバーの葉1枚1枚それぞれに、「名声」「富」「満ち足りた愛」「素晴らしい健康」の願いがかけられ、4枚そろって、「真実の愛」を表し、幸せを運んでくれるものと言われています。

四つ葉のクローバー以外にも、幸せを呼び込むと言われる“ラッキーモチーフ”が各地に言い伝えられています。例えば、
鳥の羽根・・・飛翔、上昇を意味し、長所や能力を高めてくれる。
鍵・・・物に困らない運を運び込んでくれる。富、健康を招く。 幸せへの扉を開ける。
馬蹄・・・災いを遠のけ幸運を呼び込む。
碇(いかり)・・・家庭の平安。希望と安全の象徴として、旅のお守りに。
探してみると、まだまだ世界各地の言い伝えや、風習などおもしろい物がみつかると思います。

そして、幸せの象徴といえば、「青い鳥」を思い浮かべるのではないでしょうか。メーテルリンクの童話「青い鳥」では、チルチルとミチルが青い鳥を見つけられないまま家に帰ると、自分達の飼っていた鳥が青い鳥だったことに気が付くのです。忘れてしまいがちですが、幸せとはすぐ近くにあるもの。青い鳥が、私たちにそのことを教えてくれているようです。

そんな「四つ葉のクローバー」や「青い鳥」など幸せを呼び込むと言われるものをモチーフにした小物は多く、当社でもラッキーモチーフを取り入れたフラワーアレンジメントを販売しています。結婚式や誕生日のお祝いに幸せを運んでくれるギフトとして、大切な方に贈ってみてはいかがでしょうか。


 コラムニスト紹介

日比谷花壇 本社 シニアデザイナー 西澤真実子
フラワーギフトの制作に長期間携わり、ギフトシーンにおける多くのフラワーデザインを 経験。現在は、ギフト商品の部門で商品デザインのコアを担い、トップデザイナーのひと りに数えられている。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とし、 女性的で透明感のある作風が特長。独特のロマンティックな演出が、多くのファンを魅了 してやまない。また最近では、書籍の表紙デザインやCDジャケットのフラワーデザインを 手掛けるなど、多岐にわたる分野で活動を続けている。