連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第60回  両親への花束贈呈〜感謝の心、花に込め〜  

プリザーブドフラワーでデザインした「フラワーフレームアート」

プリザーブドフラワーでデザインした「フラワーフレームアート」

会場探しに始まり、衣装、装花、引き出物選びなどの大変だった準備を経て、いざ迎えた結婚式。感動の挙式を済ませ、楽しい宴もいよいよクライマックスへ・・・。そこで、定番となっているのが、両親への花束贈呈の演出です。

今では披露宴の締めの演出として広く一般的になっている花束贈呈ですが、この演出を最初に発案したのは私たち日比谷花壇でした。
花束を渡す相手は10年ほど前までは、新郎が新婦側の親、新婦が新郎側の親に渡すのが一般的でした。これは、新しく親となる方へ「これからよろしくお願いいたします」という意味合いが強かったためだと思いますが、最近の披露宴では、約半数の方が「今日まで育ててくれてありがとう」という気持ちを込めて自分の親に花束を渡しています。
その場合、「義理の両親に何もないというのはいかがなものだろう?」と悩む方もいらっしゃいます。そんな時には、お互いの母親にはそれぞれ自分から花束を渡し、父親にはお相手の新郎、新婦それぞれからブートニアをプレゼントするというのはいかがでしょうか。

また花束贈呈とともに、両親へ感謝の手紙を読んだりする演出もあります。大勢の人の前で両親に感謝の気持ちを伝えるのは恥ずかしい気もしますが、普段なかなか伝えることができない感謝の気持ちを、結婚式という人生の節目に伝えられるといいですね。

最近は花束の代わりに後々にまで残る「記念品」を渡すケースも増えています。自分が生まれた時の体重のぬいぐるみ「ウエイトベアー」もご両親に内緒にしておいて贈ると感動的ですし、実用的に旅行券やそれぞれのご両親が好きなものを贈っても喜ばれますが、中でも人気があるのは、生花を特殊加工した“枯れない花”プリザーブドフラワーをフレームの中にデザインしたフラワーフレームアートです。記念の日付やお二人のお名前、感謝の言葉などをお入れすることもでき、気持ちを伝えるには最適です。アートのようなフレームは、自宅のインテリアとして飾ることができるため、大変喜ばれています。


 コラムニスト紹介

杉本郁弥
日比谷花壇 ウエディングフラワーコーディネーター 食空間コーディネーター
都内ホテルにて、ウェディングブーケのデザイン・空間装飾&テーブルコーディネートを担当。また、ホテル婚礼パンフレットの制作に携わる。10年間で1,000組を超えるお客様のウェディングフラワーをコーディネートする。