連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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 第62回  冬のバラ 〜モミや白枝と相性抜群〜  

シルバーの枝、松かさ、ヒバに、赤いバラ等を合わせて、クリスマスのアレンジに。

シルバーの枝、松かさ、ヒバに、赤いバラ等を合わせて、クリスマスのアレンジに。

バラは、フラワーショップに行けば一年中必ずあるという印象ですが、店頭で品種が豊富になる時期は、実はクリスマスシーズンを迎えるまさにこれからです。

この時期のバラは、一輪挿しでも強烈な存在感があり、茎も花びらもしっかりしています。葉も肉厚でとても艶があり、キレイです。品種にもよりますが、バラが開ききる最後まで香りとお花の表情が刻々と変化していく様子を楽しむことができます。

バラはどんな花と合わせても主役になれるお花ですが、11月から12月は、リンゴ・松かさ・モミ・ヒバ・コットン・白枝などの冬を感じさせる素材との相性が抜群によいです。

クリスマスモチーフとしてよく扱われる、白枝とモミなどをアンティークな器に活け、その中に赤バラを数本活けるだけで季節感を演出できます。器も、飾る場所に合わせて選ぶことでお花をより引き立てることができます。白枝やモミはとても長持ちするので、週ごとにバラだけ変えて気分転換するのもおすすめです。

最近のクリスマス向けのトレンドは、レッド・グリーン・ホワイトの定番クリスマスカラーだけではなく、パープル・ピンク系のキレイ色のバラと、ラメが付いたレースフラワーなどのキラキラした華やかな花と合わせる組み合わせが世代を問わず、おしゃれな女性に人気です。

またバラは咲ききってもなお美しいので、平皿にお水を張って短く切ったバラをアイビーなど蔓性のグリーンと一緒に浮かべ活けたり、花弁だけをお皿に散らせたりすると華やかな演出が出来ます。

古代から繁栄と愛の象徴とされたバラは、今も進化し多くのファンに愛され続けています。 それは、バラの様々な香りと表情、花色がいつも私たちを虜にさせるからだと思います。 この冬、ほっこりと暖かな気持ちになれるようなマイ フェイバリット ローズを探して、楽しんでみてはいかがでしょうか。

日比谷花壇 マーチャンダイジングディレクター 小野瀬 景

 コラムニスト紹介

小野瀬 景
生花マーチャンダイジングディレクター
店頭販売での長年の経験を活かし、日比谷花壇の首都圏店舗の生花マーチャンダイジングディレクターとして、お客様が求める、またお客様に新たな発見や感動を提供する商品展開、お客様と生産者を結ぶフェア展開を手掛ける。