季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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第89回 愛を伝える 〜花束に思いを託して〜

愛妻の日(1月31日)におすすめの、旬のチューリップを束ねた花束

愛妻の日(1月31日)におすすめの、旬のチューリップを束ねた花束

 花束を持った男性がさっそうとパリの街角を歩いている様子は、映画のワンシーンを見ているようで素敵です。日本でこのような光景を見かけることは残念ながらあまりないですが、女性へ花束をプレゼントすることが日常的なパリではよく見かけられる光景のようです。

 1月から3月は、愛を伝えるイベントが目白押しです。1月31日「愛妻の日」、2月14日「バレンタインデー」、3月14日「ホワイトデー」。バレンタインデー、ホワイトデーは有名ですが、愛妻の日をご存じない方もいらっしゃるかもしれません。1をアルファベットのI(アイ)、31をサイと読む語呂合わせで、愛妻の日として、日本愛妻家協会が提唱し、普及を進めています。日比谷花壇では、その趣旨に賛同し、愛妻の日をきっかけに、愛する奥さんへ感謝の気持ちを花に込めてを贈りましょう、と呼びかけています。

 愛妻の日にお薦めの花が、この時期に旬を迎えるチューリップです。そして、チューリップの花言葉は「愛」。また、花言葉は花色によっても変わってきます。赤は「愛の告白」、ピンクは「誠実な愛」、紫は「永遠の愛」。かわいらしい花姿と情熱的な花言葉、愛する奥さんへ贈るにはぴったりのお花ですね。

 欧米では、バレンタインデーは、恋人たちが愛を伝え合う日だそうです。男性から女性へ赤バラの花束を贈る習慣があり、この日お花屋さんでは、赤バラを買い求める男性が行列を作るそうです。赤バラに限らず、女性はバラが大好きです。バラの何が女性を惹きつけるのでしょうか?優雅な花姿だけでなく、芳醇な香りもバラの魅力のひとつです。そのうっとりとするようなバラの香りには、ティーローズエレメントという女性をきれいにする成分が含まれているそうです。全てのバラに香りがあるわけではないので、女性へバラをプレゼントする時は、香りのあるバラを選ぶことをお薦めします。

 この春は日本でも、花束を抱えて恋人や奥さんのもとへ急ぐ男性の姿をたくさん見られると素敵ですね。

日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤真実子

 コラムニスト紹介

西澤 真実子
日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤 真実子
ギフト商品デザインのコアを担うトップデザイナーのひとり。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とする。また最近では、書籍やCDジャケット撮影の作品を手掛けるなど、活動の幅を広げている。