季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」

季節に合わせた花や緑の楽しみ方を紹介する、日比谷花壇の連載コラム「季節を彩る花物語」。
お家の中で花や緑を気軽に楽しむヒントを紹介したり、時には公園や路地裏に咲く花々を紹介してみたり、花や緑にまつわる歴史的な出来事から、海外での花の楽しみ方・贈り方まで、季節を感じ楽しめる花と緑の情報満載でお届けしていきます。
*このコラムは、中日新聞・東京新聞の隔週月曜夕刊で2009年1月から連載しています。

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第98回 父の日 〜成長楽しむ栽培セット〜

可憐な花を咲かせるスイレン

可憐な花を咲かせるスイレン

6月の第3日曜日は何の日でしょう?何の日だったか、すぐに思い出せない方も多いのではないでしょうか。6月16日(日)は、母の日に比べるとちょっと忘れられがちな「父の日」です。家族のために毎日頑張ってくれているお父さんへ、普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちを花に託して届けましょう。

母の日は赤いカーネーションのイメージが強いですが、父の日は何を贈ったらいいか悩むところです。母の日のカーネーションに対して、父の日は黄色いバラやヒマワリが人気の花です。毎年ベスト・ファーザー イエローリボン賞を発表している日本ファーザーズ・デイ委員会が、お父さんへの感謝の気持ちを黄色いリボンに託して贈り物をしましょうと「父の日黄色いリボンキャンペーン」を提唱。このため、幸福、希望を象徴する黄色が父の日のイメージカラーとして広まったようです。明るく輝く太陽をイメージさせる黄色のバラやヒマワリは、いつも仕事を頑張っている、ちょっとお疲れ気味のお父さんにパワーをくれる花なのかもしれません。

花を見るよりも実際に育てるほうが好き、というお父さんには、栽培セットがお勧めです。花では、涼やかなスイレン鉢が人気です。スイレンは、鉢に泥んこの小さな蓮根のような株を植え込み、葉を伸ばし、真夏に花を咲かせます。日当たりが良ければ、夏の間にいくつもつぼみが上がってきて、花が咲く様子を楽しめます。水面に揺れる可憐なスイレンの花は、眺めているだけで夏の暑さを忘れさせてくれそうです。

また、近年人気なのが、お米を育てるキットです。毎日食べているお米ですが、実際に作ったことのある人は少ないのではないでしょうか。家に小さな田んぼを作って、苗を植え、育て、収穫する。自分で作ったご飯は、さぞかしおいしいことでしょう。そんな楽しい体験を家族で話し合う時間ができるのも、育てるキットのいいところです。

さて、今年の父の日の贈り物、決まりましたか。

日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤真実子

 コラムニスト紹介

西澤 真実子
日比谷花壇 シニアデザイナー 西澤 真実子
ギフト商品デザインのコアを担うトップデザイナーのひとり。シンプルかつ花材の繊細な色合いにこだわったデザインを得意とする。また最近では、書籍やCDジャケット撮影の作品を手掛けるなど、活動の幅を広げている。